新 航空機用タイヤについて
2025年百里基地航空祭の時にU-680A等の前輪タイヤが左右対称でないことが気になり色々調べてみました。 またタイヤに書かれている記載が自動車と違うことなど航空機の特徴があるのでタイヤメーカーや自衛隊の納入仕様書などを参考に記します。
撮影2025/12/07 U-680A 02-3031 イガテック

航空機のタイヤではグットイヤー(Goodyear)が有名ですがこの会社のホームページにタイヤの取扱説明書が掲載されているので抜粋して紹介します。
資料 Good Year Aircraft Tire Care & Maintenance 2025年4月版
バイアスタイヤ

ラジアルタイヤ

下に Chine と書かれている部分で目的は下記のように書かれています。
『Chine(偏向板とも呼ばれる)は、一部のノーズタイヤの側壁に成形された円周状の突起で、水を横方向にそらすことでエンジンへの過剰な水の吸入を軽減します。
チャインの有無は、航空機のノーズタイヤの数によって異なります。』
U-4、U-125Aなども同様の機体で胴体後方両脇にエンジンが装着されている機体は滑走路面で前輪が水しぶきをあげてしまうとジェットエンジン吸入口に入ることで影響が出ることを防止しているんですね。
そのほかに説明書きを読んでいると 上記ラジアルタイヤのPLY数についての説明があり
『PLY RATING - 「プライレーティング」という用語は、タイヤの耐荷重性能を示す指標として用いられます。 かつてタイヤが綿コードで作られていた時代には、「プライレーティング」はカーカス(骨組み)の実際のプライ数を示していました。ナイロンなどの高強度繊維の開発により、同等の強度を得るために必要なプライ数は減少しました。そのため、「プライレーティング」(綿コードの実際のプライ数)という用語の定義は、カーカスの強度または耐荷重能力を示す指標へと置き換えられました。』
ということで 糸の重ね合わせの枚数では無くなっているんですね。
タイヤの製造時期が自動車も書かれていますが表記が異なります。
自動車は 『2025

タイヤの製造日迄管理しているということは乗客の安全を守るために製造管理が車より厳しくされているという現れですね。
Goodyear資料 2002年10月版では下記のように負荷の違いを図示していました。 速度が最大300マイル/時と書かれているので エネルギーは速度の2乗で効いてくるので とても大きな負荷がかかっている事が判りますね。

縦軸が加重(x1000LBS) 横軸が速度 (MPH)
自衛隊で使用される航空機のタイヤについての資料であまり知られていないと思われる部分を抜粋して紹介します。
引用資料:
最大摩耗限度
最大摩耗限度とは,摩耗により消失してもよい最大カーカスプライ位置をいう。最大磨耗限度の示し方には,最 大摩耗限度の位置に赤色のプライを備える方法と外側から数えて何プライまで摩耗してもよいかプライ枚数を表示す る方法の2種類の方法がある。ウェアインジケータ用ホール・スロットを併用してもよい。
参考までにF-4EJでは40PLYのタイヤを使用していましたが 赤色のプライが見えたら交換と話していました。
下記は自衛隊で使用されている主なタイヤの一覧です。(クリックで拡大)
防衛省仕様書 航空機用タイヤ 令和6年2月1日改訂版抜粋
TT:チューブタイヤ TL:チューブレスタイヤ